『ぼくの道具』

石川直樹

平凡社

2016年1月発売


丁寧にグラシン紙に包まれた状態で置いてあった。本を目にした瞬間にもう購入決定。高知の「雨風食堂」で。手触りの良い紙の質感や、カラーページを織り込んだ巧みな製本。思わずワクワクしてしまうレイアウトに手書きのイラスト。プロダクトに関するすべての要素が美しい。しかも本とのこんな素敵な出合い。わざわざ足を運んだ場所で偶然出合えたこと。これに関してはプライスレス。一人で悦に入っています。

 

写真家、石川直樹さんが愛する旅道具。ミニマリストになることを完全無視して、電気ケトルやサイクロン掃除機を嬉々として手に入れ始めた自分なんかの生活道具とは全く毛色が違う。エベレストなどの極限の場所で使用しているだけあって丈夫で頑丈。当然、実用性重視の道具が次々と紹介される。文明の力に極力頼らないのかと思っていたら、電子書籍やDVDプレーヤーをテントに持ち込んだり。素直に普段の生活を恋しがっているのにはとても好感が持てた。自分で選んだ道具をその都度アップデートしたり、修繕したりしながら楽しく上手に付き合っていきたい。何でもお金で買えるようになってきたけど、最後はやっぱり自力じゃないと登頂できないと思うな。

 

 

『本の街あるき 2018年6月 ❶』