『江戸の暮らし』

中江克己

青春出版社

2009年9月発売


作品は今も変わらず存在しているのに、それを作った人はこの世にいない。当たり前のことだけど、当たり前のこの現実にすごい不思議な気分になることが最近よくあります。建造物や資料、風習や習慣はきちんと残っているのに、そこに生きた人は一人残らずきれいにいなくなってる。実際に会った人も誰もいない。考えれば考えるほど不思議な気分になってきた。岡山「ブリゼ」で購入。

 

「百年後、ぼくらはここにいないけど」。百年前の渋谷から、今度は四百年前の江戸へ一気にタイムスリップ。読みものでもあるし、社会の勉強もできた一冊。徳川家康がどのように江戸の町を作っていったかという話も興味深かったけど、歴史に名を残したとかそういうのではなく、ただ一生懸命に江戸に生きる町民の生活がどのようなものだったというのが細かく解説されていたのが、初めて聞く話だらけでとても楽しかった。女性の気を引くために三味線を習ったり、ミニマリストのような暮らしをしていたり。仮に現代に誤ってタイムスリップしてきたとしてもきっと柔軟に対応できると思う。一気に江戸に生きた人に親近感が湧きました。

 

 

『本の街あるき 2017年6月 ❷』