『ミニマリストという生き方』

辰巳渚

宝島社

2016年2月発売


最近、本当によく映画館に行くようになっている。なんで行くようになったかといえば、DVDやビデオなどで所有して手元に置いておきたいという、自分に以前あった所有欲がなくなったから。「モノは一瞬の快楽でしかないけど、思い出は長つづきすると思う」。タレントの小島よしおさんの言葉。今ではすごい納得、共感しています。

 

「ミニマリストは悩んでいる人なのだ」。最初の数ページこそ、本に登場してくるミニマリストの部屋の様子などが紹介されているんですが、そこから最後まではずっと、ミニマリストの内面についての話が続いていた。本の評価が低かったりする理由はここにあると思ったり。本文もミニマリストに抵抗がある人が読むと、いかにもって感じの言葉が並んでいる。ミニマリストとの対談が終わり、著者の辰巳渚さんの話になると、哲学者も出てきたりして真面目、教科書のようだなあと思いながら読んでいたんだけど、最後に一気に大団円になるような考察がなされていました。ラストで一気に大満足。ミニマリスト本が溢れてる中でこの異色の内容。賛否は分かれるだろうけど、とても価値ある一冊だと思う。

 

 

『本の街あるき NO. 30』