『珈琲屋』

大坊勝次、森光宗男

新潮社

2018年5月発売


行くたびに新しい発見があるのが楽しい。高知の「金高堂書店本店」で購入。オオヤミノルさんの「美味しいコーヒーって何だ?」を読んでる最中に見つけた。大坊さんと対談もしてたし。次に読む流れとしてはもうこれ以上の本はない。ひたすらに胡散臭い世界。知れば知るほど、コーヒーの世界って、どんどんユニークで魅力的になっていく。

 

濃いなんてもんじゃない。「美味しいコーヒーって何だ?」が一日で一気に読めたのとは打って変わって、今回は全部飲み干すのに相当に時間がかかった。美味しさを数値化したり、情報をオープンに共有しようとするサードウェーブとは全く対極の位置にいるお二人。コーヒーを絵画で例えたり、スピリチュアルな世界さえ垣間見せたり。大坊さんにも時折声を荒げる「珈琲美美」の森光宗男さん。この方のインパクトが本当に凄かった。全体のイニシアチブを取っているのも森光さんで。仕事は目で見て盗め。答えなんか話してくれない。でも、求める以上のヒントは辺り一面にまき散らかしていった。デミタス並みに濃厚な二人の会話が一冊にまとまったことにも驚嘆。もしかしたら本を読んで、新しいコーヒーの味を生み出す人が現れるかもしれない。

 

 

『本の街あるき NO. 99』