『ご機嫌な習慣』

松浦弥太郎

中央公論新社

2018年2月発売


松浦弥太郎さんの「考え方のコツ」を大々的に展開していた高知の「金高堂書店」。あちらもすごかったけど、こちらだって負けていない。面出しはもとより、松浦さんのコーナーがきっちりできていた。岡山「丸善」で購入。気付かずに手に取ったけど、初めて読む最新著書。文庫のコンパクトな手軽さもいいけど、単行本ならではの重み。適度なサイズ感。こっちもこっちでなかなか捨てがたい。

 

「はじめてのグラノーラ」。アメリカではじめて食べたグラノーラのおいしさのとりこになったというエッセイが素晴らしく秀逸。読み終わった今でもついつい読み返してしまう。早寝早起きの秘訣や、読書の時間。基礎代謝のキープの方法などなど。松浦さんが試行錯誤を重ねて独自に編み出した、ご機嫌な習慣が沢山書いてあって、思わずワクワクしてくる。そんな中でも印象に残ったのが、松浦さんのお父さん。食いしん坊だったり、料理に対して並々ならぬこだわりがあったりするのは、まるで親子そっくり。ここから高校をドロップアウトして単身渡米するというのはとても意外な感じ。最後はきっちり舞台をアメリカに移して。うまいなあ。とても洗練されたエッセイ集。

 

 

『本の街あるき NO. 80』