『百年後、ぼくらはここにいないけど』

長江優子

講談社

2016年7月発売


やりたいことだったり、やらなきゃいけないことだったり。最近時間の計算ばかり。そういうことをどうしようかと考えている間にも時間はどんどん流れて。しかも、その流れるスピードが日毎に早くなっていってるように感じるし。「百年後、ぼくらはここにいないけど」。こんなことを考えれば、ラクになれるような、なれないような。そんなことをぼんやり考えていたら、そんなことをタイトルにした本がほんとに本棚に並んでました。倉敷「愛文社書店」で購入。

 

タイトルに惹かれたし、表紙にも惹かれた。地理歴史部に所属する中学生の男女が百年前の渋谷をひょんなところからジオラマで再現するという話。古地図を手に実際に足を使うところと、タイムスリップを感じさせるところ。ここ最近のトレンドを上手く取り入れてるのかなと思ったり。イヤイヤながら始めた物事が次第にこなれてきて、人間関係とともに回り出す爽快感と心地良さに改めて学ぶものが沢山ありました。ジオラマに関する臨場感もたっぷり。自分がティーンエイジャーだったら今話題の将棋部ではなく、こちらに入部届けを出しに行っているはず。とにかく何か行動を起こしたくなった一冊。

 

 

『本の街あるき NO. 63』