『対談 競馬論』

寺山修司、虫明亜呂無 

筑摩書房 

1993年3月発売


「前なかったやろ?持ってきたわあ」。先日行ってきた香川の「こんぴら書房」。「KONPIRA昭和なつかし博」、琴平町で開催されているイベントの一つとして、11月まで営業されているこちらのお店。本はお店を運営している「なタ書」の藤井さんが事前に用意してくれていた一冊。「なタ書」もだけど、こちらも相当にユニークなお店でした。 

 

「言葉の錬金術師」寺山修司。「さらば、テンポイント」など、有名な詩やコラムなんかは読んでいたけど、ちゃんとした本で読むのはこちらが初めて。本は作家、スポーツ評論や競馬エッセイなども書かれていた虫明亜呂無さんとの対談集。ネットに読み始めの頃つぶやいたんだけど、海外文学なんかの比喩が連発していて非常に読みにくい。序盤は自分にムチを打ちながら読み進めていたんだけど、競馬談義に花が咲くにつれてお二人、そういう例えが減ってくる。おかげで中盤からはぐんと読みやすくなった。武豊騎手も生まれる前の話。ハッとさせられるブラックユーモアも満載の寺山さんのお話もよかったけど、寺山さんよりおしゃべりな虫明さんのお話もとてもよかったです。