『まぼろしのお好み焼きソース』

松宮宏

徳間書店

2016年12月発売


コンプライアンス。破ったりはしてない。そうなんだけど腑に落ちない。わかっているんです、人間同士はお互いに。でも、そこに横たわっている法令遵守によって、どうにも物事がスムーズに進まないことが多いような気がしてる。「最近の親分とは、謎の禅問答ばかりしている」。先月読んだ「さすらいのマイナンバー」の続編。前作でも登場した川本組が今回は話の中心に。岡山「三省堂書店」で購入。

 

傑作B級グルメ小説の良さはそのままに、今回はコーヒーもマティーニも河豚も一切登場せず。お好み焼きオンリー。とりわけソースに焦点を絞りに絞って、その魅力を最大限に一冊の本の中に表現している。休日、カフェの他に新規開拓でお好み焼き屋を探すように自分はなってしまっているのが、まさに動かぬ証拠。話もよくある人情、任侠話…かと思いきや、終盤。それまで守り続けたコンプライアンスをまるで無視したかのような、まったく予測できない、とんでも展開が待っていた。思わず吹き出してしまったけど…こういうのあり!丸一冊は無理だったけど、聖地巡礼。神戸で読むことができたのも、とても良い思い出になりました。

 

 

『本の街あるき 2016年12月 ①』