アレックス・カー
朝日新聞社
2000年9月発売
ちょっと前、TBSの「情熱大陸」で、徳島県の祖谷に家を持ち、古美術ディーラーなどの仕事をする東洋文化研究家のアレックス・カーさんの特集をしていた。番組内で、京都の古い町家を改装して新たな宿として貸し出すというプロジェクトを紹介されていて、興味深く面白かったので、そんな事をされているアレックスさんが書かれた本も読んでみたいと思い、本書を取り寄せてみました。
まずアレックスさん、並みの日本好きの外国人ではない。なんてったって1964年!に来日されている。自分よりも全然日本歴は長い。そして、読み進めていくうちに、上辺の格好や物珍しさじゃなく、心から日本の文化・芸術を理解し、愛している人だということも本当によく伝わってきた。そんな、綺麗なところだけじゃない、本当の日本の姿を長年見てきた人だからこそ、「京都タワーには目をつぶって」などの厳しい指摘にもすごく説得力があったし、なるほどと納得させられる新しい事もたくさん知ることができました。アレックスさんが語る日本美見聞録、同意する・しないはまずは置いておいて、ぜひ一度、読んでみてほしい一冊。