『就職しないで生きるには』

レイモンド・マンゴー

晶文社

1998年9月発売


「最低で最高の本屋」を読んでいたら、この本のことが出てきたので、久しぶりに手に取ってみた。就職しないで生きようとしていた無職の頃。10年前にアマゾンで購入していた履歴が残っている。どこか懐かしい文章のリズム、独特なテンポとブラックジョーク。そして中盤の読んでいると自分も著者も一体どこにいるのかわからなくなるドラッグな文章。ここだ。やっぱり途中で放り投げていたのを思い出した。

 

「就職しないで生きるには」。「根源的利益」がそもそもの原題なんだそう。訳者が付けたのか、編集者が付けたのかは知る由もないけど、とにかくもうこれが大大大成功したと言わざるを得ない。だから、松浦弥太郎さんも岡本仁さんもアマゾンにレビューを書いた人も、みんなこの題名に釣られて本を手に取ったんだと思う。そこからのリアクションはもう千差万別多種多様。やっつけるためだけに、速読もどきに走る自分のような人間もいれば、松浦さんにいたっては「最近もう一度読んで、やっぱり面白かったです」という…にわかには信じがたいけど、そうなるのを楽しみに。再び積読の底に沈めることにします。読んだ証拠はここに残った。