『スペクテイター 43号』

エディトリアル・デパートメント

幻冬舎

2019年2月発売


いつからこんな本を読むようになったんだ。「部屋へ!」と一緒に妹がプレゼントしてくれた一冊。「侘寂やー!」という台詞がダイレクトに飛び出していたし、二冊がリンクしているのも心憎い。毎年こんな本がもらえるんなら、歳を取るのもそう悪くない。身内自慢閑話休題。「旅から戻る頃には月面旅行を終えた宇宙飛行士のように、これまで見てきた地球の景色がまるで違ってみえる。そんな不思議な気分が味わえるに違いありません」。色っぽい水着姿の女性の広告を横目に月面旅行から帰ってきた。これぞまさにインドア・アドベンチャー!

 

日本人でありながら雰囲気だけでしか理解できていないこの言葉の意味を、文章や写真、漫画や歴史、インタビューなど様々な手段を使って紹介。わび・さびの真骨頂とも言える余分をそぎ落としたシンプルな構成で、かしこまることもなく自然体で理解することができた。すべて分からなくてもいい。それが、わび・さびということなのだから。千利休については改めて深く知りたいと思うようになったし、細川廣次さんという、素晴らしいカウンターカルチャーの先行者がいることも知った。年を重ねる毎に読み返したい。大切に持ち続けたい。