『果てしのない世界め』

少年アヤ

平凡社

2016年12月発売


あの人の出来事から著者のことを知りました。とにもかくにも読んでみたいと思った。去年末、探しに探し回って、表紙を目にした時の嬉しさったらなかった。倉敷の「喜久屋書店 」で購入。

 

「おにぎりの古い友人」「シンクのなかを蛇のように」。誰もが普段、何気なく目にするであろう、日常の些細な光景をこんな風に見ることができるのか。所々に散りばめられている文章表現に目が留まることが何度もありました。頭の中でできたイメージと、本から伝わってくるイメージと、外で読んだから周りの景色が混ざり合って、自分だけの世界観に浸れることができた。面白いんだけど、なんでだろうと思うような息苦しさや辛さを感じる時があったり。著者のフィルターを通して、いろんな感情が倍加されるこの感じ。あの人の本を読み終わった時と、とてもよく似ている。少し時間が経って、冷静に読み比べたりできている自分を不思議に思ったり。きっかけはどうあれ、本を読むことができたのは良かった。読み終わった今の気持ちも大切に取っておく。

 

 

『本の街あるき NO. 43』