『賭ける魂』

植島啓司

講談社

2008年5月発売


岡山「ブリゼ」で購入。植島さんの本はこちらで買うことに決めています。著書を読むのは三冊目になるけど、初めて購入した本はこれだった。押入れに寝かせてしまっていたけど、ようやく読書。豪快でいて繊細、強引でもないし押し付けがましくもない粋な男。やっぱりこの人の書く文章が大好きだ。「ぼくは1年間でほぼ200日旅して過ごしている」。考え方とか、どことなく高城剛さんに似ている。「買い物したりすれば、なくなってしまう額なのに、賭けで負けるのには強い抵抗感を示す。とにかく、これほど負けることを怖れる国民は他にないだろう」。ぎくっ…

 

偶然、快楽と読んできて、今度はギャンブルがテーマの本。どの本にも共通していて面白いのが、肩ひじを一切張らない飄々とした文体。でも取り組む姿勢にはある種、狂気的なものすら感じる。儲けることには執着されてないように見える。儲けないと続けられないけど、そのプロセスそのものを楽しんでいるような。ギャンブル全開の内容だけど、読んでいると気づけば心が軽くなっていた。ほんのり人生のエールのようなものも感じる。ギャンブルのカテゴリだけに留めておくには本当にもったいない一冊です。