『食禅』

柿沼忍昭

三笠書房

2016年12月発売


ポテトチップス大袋にエナジードリンク、大盛りご飯に漬物。一眠りした後、むくりと起きてからビスケットを一箱ぺろり。自分でもドン引きしながら寝たら、翌朝体の悲鳴に叩き起こされた。ガスが充満したかのようなお腹の張り。トイレにこもってうずくまっていたら、今度は急激に気分が悪くなって嘔吐。その後無理やりにひねり出たのは血便。流石にゾッとしたので病院に駆け込んだ。診断の結果は…幸いにも幸いにして異常はなし。時間もお金も体力も大量に奪われた。これを良い機会に。そう思うより他ない、年明けのどうしようもない出来事。

 

彼女が持っていた一冊。仕事帰りの衝動買い、早食いにおかわり。習慣というのは良くも悪くも続いてしまうもので、ダメだと自覚していても、一度身に付いてしまうとなかなか直せない。食事を通して禅の心を学ぶという「食禅」。永平寺でも修行をされた著者。しっかり咀嚼しながら書いてくれているので、五臓六腑に染み渡るように心に入ってきた。おいしくても体に悪いジャンクフードなんかとは一線を画す、心と体をととのえる「ごはん」の食べ方。傷ついてやっとわかるようでは遅い。大腸検査したくなかったら今すぐ食禅!