『行きつけの店』

山口瞳 

新潮社 

1999年12月発売


松岡正剛さんを見習って多読術、何冊か同時に本を読んでみたんだけど。ごめんなさい松岡さん。自分はじっくり一冊の本と向き合う方が性に合っているみたいだ。岡山「古書五車堂」で購入させてもらった一冊。エッセイスト山口瞳さんのまさにタイトル通り、全国各地の行きつけのお店を紹介した本。 

 

主人よりもお内儀。本を読み進めると浮かび上がってくるのは、山口さんの文章はお内儀さんを中心としたエピソードが多いということ。別に下心があるような感じではなく。料理や味のことも紹介されているけど、そこ以外の風景が見えてくるところがやっぱりいいなと思った。先日読んでいた本に出てきた京都サンボア、本の後半に出てきた倉敷の千里十里庵、それから読書メーターで教えていただいた山口さんの評判。昔の本なんだけど、リアルタイムで読んでいるように感じることができたのは不思議でもあり、嬉しくなる体験。本を読みながらネットでお店を検索したりしていたけど、長崎の「とら寿司」。インパクトで言えば、このお店が一番でした。