池波正太郎
新潮社
1984年11月発売
「歯切れがよくて読みやすい。この人の文章、いいなと思って」。本屋で買ったというのを聞いて、母から借りて読んだ。感想を書いていないので、読んでるかどうかはっきりしてなかったけど、読み始めてすぐにピンときた。再読というカタチになったけど、全くもって新鮮な気持ちで読めました。重版に次ぐ重版。時代を軽く超える名著。
「熱いものはすぐ食べなきゃ」「なかなか席を立たないでチビチビやっているというのは感心しない」「一人で行って飯を食うとかということをやらないと駄目なんだ」。本を読んだことは忘れてしまっていたけど、池波さんに言われたことは愚直に実践していた。以前は食べることにばかり注目して読んでいたけど、「余裕を持って生きるということは、時間の余裕を絶えずつくっておくということに他ならない」。年齢を重ねて、自分も少しは人生について考えるようになった。以前はさらっと読み流していた、池波さんの他の言葉にも耳を傾けるように。買ってすぐに貸してくれた母には早々に返却。もう手元に本はない…次に読んだ時はどんな発見があるだろう。今度見かけたが最後、有無を言わさず購入します。