忌野清志郎
新潮社
1993年5月発売
文明の利器って大変にスバラシイ。その場の匂いまでしてこなくても、記録したものは確かにその時の空気を吸ってできている。文章や音楽を聴きながら読んでいると、まるでこの人が今もいるような気分に錯覚した。オレらと違って無敵の疲れ知らず。だったら何度だって出てきてもらいましょう。たぶん古本屋で買ったと思うんだけど、どこで買ったのか思い出せない。今度からはきちんと記録するようにしよう。一度積読している本のジュウショを把握しておいたほうがいいかもしれない。
ファンだったら思わず声をあげてしまうような人たちが勢揃い。イマーノが数多く持つ有名人の友達をショーカイ。それを超個性的な似顔絵イラストと、カタカナ満載のマカフシギな文章で綴った、それはそれは愉快な一冊。コロナが明けたらまたライブ告知があるんじゃないかってくらい。熱中して読んでいると現在が2020年ということを完璧に忘れていた。それくらい生き生きしていて瑞々しい。このもどかしくなる嬉しさを、角田光代さんが最後に見事に昇華してくれた。角田さんほどのファンではないけど、自分も忌野清志郎に間に合った。ホコリに思いたい。