『TO THE BAR』

成田一徹 

朝日新聞社 

2005年1月発売


本当に素敵な一冊だった。読み始めた瞬間から感想を書きたくてウズウズ…飲食関係の本は何度も読み返せるので極力手放さないようにしているけど、この本はそんな中でも特に手放したくない一冊になった。本は作家、成田一徹さんが長年かけて通ってきた全国のバー、74軒を厳選して紹介したガイドブック。哀愁漂う成田さんの文章で簡潔に爽やかに一軒ずつ、丁寧にお店が紹介されています。 

 

なにがそんなに素敵だったのかと言うと、本に挿入されている挿絵。モノクロで雰囲気もあるなと思っていたんだけど、これがなんと切り絵だったということ!(表紙もモチロン切り絵)そう、成田さんは作家は作家でも「切り絵作家」なんです。しかも驚くことなかれ、特に思い入れのある店だけ挿絵なんてせこいことはしてない。74軒全部にきちんと挿絵が挿入!!!!大満足の読み応え。だけど、この本に一番満足しているのは成田さん自身かも。最高に素敵な自己満足本、そんな幸せを少しおすそわけさせてもらうことができた。

 

 

『本の街あるき NO. 8』