『魚河岸マグロ経済学』

上田武司 

集英社

2003年3月発売


2012年、年明け。色んなニュースが世間を駆け巡ったけど、その中でも特に話題になったのはやっぱりこれだと思う、「マグロ初セリ5649万円!寿司チェーン店「すしざんまい」が落札」。全国ニュースでも頻繁に流れていたこの話題、年明けに放送されたテレビのマグロ特番と合わせて大いに楽しませてもらった。青森・大間の漁師の方が儲かることはいいなと思ったんだけど、「マグロは出血値段、寿司屋の意地で出してます」なんて言っていたお店は今年はどうだったのかなと思ったり。ちょっと複雑な気持ちにもなってしまいました。 

 

本は東京の築地市場にお店を構えるマグロ仲卸「内藤」のご主人、上田武司さんの著書。マグロ屋になった動機や店を20代でまかされることになった時の苦労話、初めて聞く事が多かったマグロの基礎知識やマグロを取り巻く国内外の経済の流れ、築地の未来など、本が出版された03年のこの時でも上田さん、かなり色々なことに危機感を抱かれているみたいです。廃業も多いと言われている築地の商売の中でも上田さんのお店はまだまだご健在のようで。上田さんが仕入れた、おいしいマグロが食べてみたい!