『監獄ラッパー』

B.I.G. JOE 

新潮社  

2014年7月発売


本が本を呼び寄せるのか。「ニートの歩き方」の次はこんな本。今年の始めに大阪の「本は人生のおやつです!!」で購入していた。今みたいにリアルタイムで情報は流れてなかったけど、日本人ラッパーのビッグ・ジョー、ヘロイン密輸の疑いでオーストラリアで逮捕!この衝撃的なニュースはどこからともなく耳にはしていました。 

 

6年間の刑務所生活。しかも異国の地で。想像しただけでも恐ろしくて不安で寂しくて…こうして出所していることを知っていても、映画を観るような感覚で手に汗握りながらページをめくり続けた。今年読んだ中でも最短で読み終わった本だと思う。服役中に精神が壊れてしまったり自殺したりする人間がいる中、彼がどうやって拘置所生活をサヴァイブできたのか。彼がどう刑務所生活の中からポジティブな空気を掴んでいったのかが克明に記された内容になっている。彼の音楽を知らなくても十二分に読み応えはある。でも実際に塀の向こうで作った彼の音楽はアルバム4枚分もある。彼が心の底から渇望していた毎日を自分たちは生きている。