『旅する缶コーヒー』

マキヒロチ 

実業之日本社 

2011年7月発売


巻数の多い長期連載の漫画は最近は敬遠してしまっているけど、何度も読み返せる飲食系や手軽に読み切れる単巻物の漫画は今でもまだ買っている。女性漫画家、マキヒロチさんの単行本デビュー作。一話ずつのオムニバス形式の短篇集になっていて、広島の元アイドル、京都のサラリーマン、長野の山ガールなどなど。それぞれの町に住む男女の人生や恋愛の色んなお話が収められていた。タイトルにもあるように「缶コーヒーのある風景」をテーマに毎回缶コーヒーが登場してきて、それが実名の商品なのもまたリアリティがあって良い感じ。ちょっぴり切ない回もあるけど、短編集にありがちな妙な冷たさや妙な美学もない。とってもストレートに心が温まる漫画でした。 

 

このパターン最近多過ぎるからあんまり言いたくないけど、ドラマ化とか映画化するにはぴったりの漫画なんじゃないかなと。夏に発売されたみたいだけど、寒くなったこの時期に買って読んで大正解。読むなら缶コーヒーがおいしい今の時期のうちに!