『繋(つなぎ)』

吉川良 

本坊書房

1988年1月発売


オルフェーヴル、スミヨン騎手で凱旋門賞挑戦。磐石を期して過去二度このレースを勝っている騎手を起用するのはとてもよくわかる。あと、騎手を最終的に誰にするかの権限は馬主の人にあるわけだし。巷ではアンチ社台の声も聞こえるけど、自分はサンデーサイレンスの子供が大活躍を始めた1995年から競馬を見始めた。そもそも一番最初に好きになった勝負服はあの黄色と黒の縦縞で。なので変わらずこれからも社台ファームのファンであり続けるけど。ただ今回の一件はちょっと…なんだかなって感じも正直あります。 

 

本書は作家、吉川良さんの長期間に渡る社台ファームの取材をもとに執筆された競馬ノンフィクション。社台ファームが現在の大繁栄を遂げるまさに直前の1980年代の様子を中心に描かれています。本の副題「社台ファームに生きる人びと」と書かれている通り、当時社台ファームで働いている人たちが本当に丁寧に沢山紹介されているのが一番の読みどころ。今でこそ一人勝ち状態が続いてしまってつまらないと思う人もこの本を読めば、きっと社台ファームに対する印象もがらりと変わるはず。