中田宏之、レッカ社
メディアファクトリー
1997年12月発売
プレイステーションを手に入れたからにはセガサターンまでハードの台数を増やすことはできない。3DOに関しては中学生の自分に買えるわけがないだろって言う…「Dの食卓」、この妙な響きのタイトルと、あのポリゴンキャラの印象で、自分の中では怖いゲームというイメージがずっとあった。いや、実際にまともにプレイをしたことがないので、その時の感覚は今でも残っている。そして長髪で巨漢、あの飯野賢治さんの印象的な風貌も。
「Dの食卓」はなんでプレイステーションに移植されないんだろ。「エネミー・ゼロ事件」。本はこの大きなテーマを元に成り立っている。本を読んでようやく、子供の頃に不思議に思っていた疑問を解決させることができた。「キャラクター、続編、移植」。本の出版当時から飯野さんが危惧していたゲーム業界の鉄則、どんどん抜け出せなくなっているような気がする。好き嫌いや賛否が分かれるかもしれないけど、一種の偏見に満ちた内容。でもこれくらいのパンチが効いた本、やっぱりいい。どんどんテクノロジーが進化していく中に飯野さんがいない。この現実は寂しい。