『至福のすし』

山本益博 

新潮社 

2003年12月発売


ちょび髭がトレードマークの落語評論家、料理評論家でもある山本益博さん。東京のグルメガイド出版のため、食べ歩きで訪れた名店鮨屋、すきやばし次郎の暖簾をくぐってから現在に至るまで約25年間…熱烈な「次郎ファン」を公言されている。本はそんな山本さんとすきやばし次郎主人、小野二郎さんとの対談集。「こんどは、ご主人のにぎるおすしを食べてみたいです」、冒頭で紹介される、お店に通い始めた頃の山本さんと小野さんのやり取りはまるでドラマのようで、読み始めからワクワクさせてもらいました。 

 

対談がどこで行われたのかはわからないけど、どうしたって山本さんと小野さん、つけ台のカウンターをはさんで会話しているように思える。そして山本さん、「軍艦巻っていうのが好きじゃないんです」に始まり、次々でてくる鮨うんちくの数々!時折、嫌味だなと感じてしまうくらいだけど、全部初物尽くしの貴重な知識なので、ぐうの音も出ない。山本さんがガッツリ掘り下げてくれる本書。「すきやばし次郎 旬を握る」「すきやばし次郎 生涯一鮨職人」の補完本としても最高に最適な一冊です。