『最強の競馬論』

森秀行 

講談社 

2003年3月発売


シーキングザパール、アグネスワールド、エアシャカールなどのG1レースを勝った競走馬を管理していたJRA調教師、森秀行さんの著書。読み終わって思ったのがとにかくこの本、トータル的な内容のバランスが素晴らしいなということ。調教師になるまでの経緯から管理する競走馬のこと、それから種牡馬や騎手、海外のレースへ挑戦する思いなど…この一冊で調教師、森秀行さんの仕事内容のことはだいたい把握できるし、言いたいことも簡潔にきちんと伝わってきます。 

 

「求人広告で競馬の世界へ」「賞金年間二億円が最低ライン」「馬主との付き合い/基本はビジネスライクで」などなど、読み始めは森さんの競馬論に対して夢も希望もない現実的でさびしいものだなと感じたんだけど、夢や希望だけで馬を走らせないからこそ、少しでも馬におかしいところが見当たれば迷わず休ませてあげるなど、変な人間の欲やしがらみには決して流されない、馬のことを最大限に考えた仕事が出来てるんだなと思うことができた。馬券でいい思いはできてないけど、競馬を観る時は意識して森厩舎の馬、注目してます。