『部屋へ!』

タナカカツキ

パルコ

2012年10月発売


正体不明の謎の一冊。誕生日に妹がプレゼントしてくれた。この表紙。この手触り。サブカル臭も漂う。ヴィレッジヴァンガードなんかに置いてありそう。「インドア・アドベンチャー!」。表紙がインパクトあり過ぎて、帯に書いてある文章が全然頭に入ってこなかった。せっかくプレゼントしてくれたし。もったいぶらずに読んでみよう。

 

本を開いて数ページ読んでみて、ようやく正体が判明した。「マンガ家の脳内クルーズ」。タナカカツキ先生の「部屋の中の大自然=水草水槽への旅」。もうね、趣味に走りだすエンジンの点火の仕方が、いとうせいこうさんとまるで同じ。狂喜、狂気にみなぎっている。「ボタニカル・ライフ」と同じく、金魚やメダカも登場してくるんだけど、あくまでメインは水草水槽。「部屋の中で腕を濡らし石を掴み土を盛り草を繁らせる」。限られたスペースに小宇宙を作ると、人はなぜこんなにもアドレナリンが吹き出して止まらなくなるのか。マンガを読み終わる頃には同じように童心の心を完全に取り戻していた。取り戻してしまっていた。ちょっと自分もやりたくなってきたなあ。なにがミニマリストやねん。どんどん遠ざかっていく…