『コーヒーとボク』

相原民人

双葉社

2019年7月発売


コーヒー豆を取り寄せたことがある。美味しかった。SNSを見ても、やれエスプレッソキューブだ、やれガトーショコラだ。新たな商品も間髪入れることなく発信している。これだけの刺激を受けているコーヒー屋。なんだけど、どんな人がやっているのか全く知らないという。そんな感じでいたら、ツイッターで漫画が発売されるというのを知って、早速アマゾン。キンドルで読んでみた。

 

父はマンガ家。漫画なんだけど、描いているのは息子。でも、著者である息子はコーヒー屋を経営。チンプンカンプン。コーヒーはトレーサビリティ、透明性が重要なんてよく聞くようになったけれど、コーヒーを提供する店にまでは、その考えは行き渡っていない。そんな世界の中で、この作品はかなり異質。漫画家を挫折したところから、どうしてコーヒー屋を始めるようになったのかまでが、丹念にしっかり描かれている。正直、漫画は荒削り。だけど、野趣あふれる内容との相互作用で、不思議な魅力を醸し出しているのも事実。ここまで内情を明かしてくれれば、またコーヒーを飲んでみたくなったし、移動が自由になれば、実際に店にも足を運んでみたい。ライトアップコーヒー、行ってみたいです。