『競馬の血統学 サラブレッドの進化と限界』

吉沢譲治 

日本放送出版協会 

2001年10月発売


「ニックス」「面白配合」…これらの言葉にちょっとでも反応してしまう人なら絶対にこの本、楽しく読めると思う。競馬評論家、吉沢譲治さんの渾身の一冊。セントサイモン、ハイペリオン、ネアルコ、ナスルーラ、ノーザンダンサー…ゲームで散々お世話になった世界的に有名な名馬の誕生秘話や現役時代、引退後の種馬としての繁栄なんかの様子を当時のエピソードを交えながら詳しく丁寧に解説。これだけでも悶絶モノの内容なんだけど、「オグリキャップはアメリカの歴史的名馬、ネイティヴダンサーの隔世遺伝なのか」など、身近に知っている馬の話しもユニークに織り交ぜてくれるから競馬ファンとしてはますます面白おかしく読めてしまう。さすが1999年、JRA賞馬事文化賞も受賞した名著です。 

 

フィギュアスケートの織田信成選手が織田信長の末裔ということで話題になっていたけど、競馬場で走っている馬は全部そんな感じだと思ってもらえれば競馬ファンの方以外にも雰囲気伝わるだろうか。サラブレッド、300年の血統の歴史背景を濃縮にまとめた一冊。今まで読んできた競馬本の中でも特におすすめしたい一品です。