吉行淳之介
集英社
1989年1月発売
岡山「古本ながいひる」で購入。「バーテンダー」を読んでいた頃から一歩進んで、実用的とかを抜きにして、「酒」と書かれた本には反射的に手が伸びるようになった。岡山出身ということで、一応親近感を持っていた作家、吉行淳之介さんの著書。読むのは初めてです。
読んだ感想。ざっくり言うと時代が違い過ぎる。まさに飲む打つ買うの世界。いかに酒をたくさん飲み、女を口説き、酒場をハシゴするか…吉行さんの飲みっぷりがあけすけに書かれた一冊になっています。「淳之介はたいへん女性にもてたことで知られている」。端正なしょうゆ顔を拝見してそうだろうなと思っていたんだけど、この本を読むとそうも思えなくなってきた。女性への対応はスマートなんだけど、いかんせん露骨に下品なところがある。いや、これは自分の知らない世界の話の一端。とにかく垣間見ることができたのはよかった。「飲みざかりはいつ頃までだったですか。」「もう、ずうーと昔に過ぎたよ。ずうーと昔だ。」。