平野紗季子
平凡社
2014年4月発売
最初にこの人を見かけたのはブルータスの企画だった。エッセイスト、平松洋子さんとの対談。お互いのお気に入りの食に関する本を披露し合うという企画だったんだけど、穏やかに紹介する平松さんとは違って、終始熱っぽく平松さんにご自分の好きな本を紹介している姿がとても印象的でした。
エルブリとポンタンアメを結びつける女。食ブロガー、平野紗季子さんの初のエッセイ。おいしいはおいしい、まずいはまずいの子供ならではの無邪気で残酷なジャッジに新鮮な衝撃。本の最初、平野さんが小学生の頃に付けたと思われる、食べ歩き日記の異常な内容の濃さにまず先制パンチを食らった。タイトルなんかからも伝わってくるけど、サブカルな空気が満載の一冊。食べ物を食べ物と思わないカッコばかりの内容かなと恐る恐る読み進めていたけど、意外に不思議と地に足がついた内容だった。高級レストランと庶民的なお店を同じ視点と熱量で語ることができる平野さん。10年後には絶対こんなエッセイを書いてないだろうからこそ、自由奔放な勢いを閉じ込めたこの一冊には価値があると思いました。この登場の仕方は新しい!