中島誠之助
淡交社
1989年11月発売
去年の暮れ。愛媛県は松山城のふもとにある古本屋で買った一冊。途中までは旅の勢いで読んでいたんだけど、旅のテンションが元に戻っていくにつれ、次第に本も読まなくなってしまっていた。紀田順一郎さんの「古書収集十番勝負」の流れで再び再読。古書から骨董へ、ようやく本を読む流れが巡ってきました。
「開運!なんでも鑑定団」などでも本当にお馴染み。古美術鑑定家、中島誠之助さんの著書。「他人の飯をくわせてやる」と言われた大阪への骨董修行命令を心底嫌がり、遠洋マグロ延縄漁業に乗り込んだ話から始まって(こっちの方が普通は嫌なのでは…)ご自身で開いたお店の話、伯父であり父の思い出話などを軽快な江戸弁で語ってくれています。なんだけど、この軽快な江戸弁っていうのが個人的には相当曲者で。「ござんす」「ありんす」の廓言葉が連発、とにかく読むのに骨を折った。ただそこを抜けてから読める標準語の読みやすいこと!商売をする人に向けた大事な心得も沢山書かれていた。冷やかしになるかもしれないけど、もちろん謙虚な姿勢で。骨董屋さんに行ってみたくなったな。
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