『コーヒーに憑かれた男たち』

嶋中労 

中央公論新社 

2008年3月発売


神戸の残り香がまだ残っている。西元町にある「エメラルドブックス」で購入した一冊。買ってから気付いたんだけど、以前図書館で借りたことがあった本だった。その時は挫折して返却。本の中にオールドコーヒーという、コーヒー豆を何年も寝かせる話が出てくるんだけど、知らない間に寝かせていたらコーヒーと同じように本も旨くなっていたという。 

 

読み始めてからすぐに紙とペンを用意。有名コーヒー屋に無知な自分は、まず自家焙煎コーヒーの御三家と言われる、銀座「ランブル」の関口一郎、南千住「バッハ」の田口護、吉祥寺「もか」の標交紀。この三人の名前を書き出した。パンも出てこなけりゃスイーツも出てこない。今流行の居心地の良いカフェとは毛色が全然違うけど、それらを凌駕する魅力があることが本を読み終わる頃には充分理解できるようになっていた。日本ブルマン至上主義の真相などにも迫る、コーヒー歴史話なんかも満載。今後もコーヒー関連の本を読み漁るにあたって、とても良い下地が自分の中にできました。基本であり究極の一冊。