『ガケ書房の頃』

山下賢二

夏葉社

2016年4月発売


「壁にクルマが突っ込んでる本屋」。一体全体、どんな本屋なんだろうと想像を膨らませながら向かった。三年前。バスに強烈に揺られ、乗り間違えて違うところに連れて行かれ、吉田神社、京大の横を延々歩きながら。カオスな店内かと思っていたら、雑誌を丁寧に面出しされたラックが目に飛び込んできて肩透かしを食らいました。レジ周りに人がごった返していたのも、すごい印象に残ってる。

 

本は大阪の「ブラックバードブックス」で購入。京都の人は個性的。偏見なのもわかっているけど、自分が京都の人に持っているイメージ。幼稚園、小学校の頃、一度も家の外では声を発しなかった著者。やっぱりとしか思えない…個性的なお店をやろうとしたところから、経営難やお客さんとのやり取りの中で、山下さんの始めに持っていた考えが柔軟に変化していく様子が手に取るように伝わってきたのが非常に面白かった。ネットでもその情報は流れてきた、ガケ書房の閉店とホホホ座の開店。「小さなハードルがあるから、そこに行くということが一つのイベントになる」。今度京都に行ったら、必ず立ち寄ろうと思います。