『これがビートルズだ』

中山康樹

講談社

2003年3月発売


倉敷「読楽館」で貸していただきました。古本屋に行ったのに、本を貸してもらった…買っても買わなくても。いつ行っても温かく迎え入れてくれる、楽しいお話をたくさん聞かせてくれる。人柄も素敵だし、店内もいろんな意味で楽しい。本当に大好きなお店。

 

ビートルズの全公式曲213曲。一曲一曲、すべてに解説つき。本書の執筆のために全曲聴いたという著者に対抗して、こっちもたっぷり時間をかけて、全曲再生しながら読み込みました。もちろん、ビートルズ初心者ではない。昔からアルバムを聴いてるので、知らないことはない。でも今回は理解度が全く違う。アルバム順に雰囲気や色合い、その時その時のメンバーの気持ちや力関係、そこに著者の独断と偏見と思い出と思い込みが複雑に混ざり合ってきて…なんという贅沢なひと時!生真面目なガイドブックではないから、読まないとなんていう、重たい気持ちも最後まで起きなかった。闇雲に凄い!…じゃなくて、何が具体的に凄いかを肌で感じることはできるようになった。あとは残りの人生をかけて、自分の中でビートルズを煮詰めていくだけ。どんなに煮込んでも、ずっといい出汁が出続けてきそうだけどな…