野口聡一
新潮社
2010年2月発売
山の次は宇宙だ!「植村直己と山で一泊」を読みながら本棚のあるカフェ、福岡「ブルックリンパーラー」で見つけて購入。本を読み始める前が一番緊張する。前読んだ本の余韻が残っているし、新しい環境に慣れてないから。途中まで読んで別の本を読んでいた。いざ読むのを再開したら、ぐいぐい本の引力に引き込まれる!宇宙飛行士、野口聡一さんの傑作宇宙体験記。
本を読むと疑似体験ができる。スケールの大きさだけで言うなら、間違いなくこの本が今まで読んだ、どの本よりもスケールがデカい。なかなか宇宙に行けない焦燥感、宇宙に行くことへの不安や恐怖。野口さんが宇宙から見た地球の表情などは、まるで自分が見ているかのような感覚に浸ることができた。実際に宇宙船で過ごした時の空気…は無いんだった、匂いや雰囲気。「体験の価値を金額に換算して理解しようとするのは、日本特有ではないかと思います」。それだとしても、たった500円そこらで、このような体験ができたことはとても有意義なことだと思う。宇宙を少しでも身近に感じられるように、野口さんが言葉に気を遣って文章を書かれているのにも、とても好感が持てた良書でした。
リンク