吉田修一
文藝春秋
2002年8月発売
積読三年、消化するのに要した期間たった一日。なんでこんなことになったんだろうなとは思うけど、物事はタイミング。本は倉敷、水島の「春秋書林」で購入。実家に積読しているのは覚えていたんだけど、整理の都合で倉庫に追いやられているのをたまたま目撃した。上着を着ないとさすがに出歩けない11月。当時の記憶もまざまざと蘇ったので持ち帰ることに。とにかく読むことができてすっきりした。
芥川賞受賞作と書かれた帯を取ってみれば、緻密に書き込まれたビルや公園のイラスト。三年越しに取り掛かろうという気持ちを爽快に後押ししてくれた。読む前にしたのが、ブラーの中点抜きの同名アルバムをスマホで再生したこと。「ちかごろは、この『パーク・ライフ 』のように隅々にまで小説の旨味が詰まっている作品に出会うことがむつかしくなった」。帯に書かれた小説家の三浦哲郎さんの言葉に、後から激しく納得。文章の隅々、細部にまでこだわり抜かれている。思わず顛末を言ってしまいそうなんだけど、これは何も知らずに読んだほうが絶対良いタイプの作品。タイトルそのままに話の舞台は公園。日比谷公園。いつか行ってみたいなあ。
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