『まぼろしのパン屋』

松宮宏

徳間書店

2015年9月発売


「スター・ウォーズ」の好影響。長丁場になるのでシリーズものは敬遠していたけど、ここ最近は手を出すように。重い腰を上げてリズムがついたおかげで、タイトルだけで観た気になっていた名作を次から次に観ることができるようになりました。映画の話。

 

神戸在住の小説家、松宮宏さんの神戸三部作。二作目「さすらいのマイナンバー」三作目「まぼろしのお好み焼きソース」。軽快に読んだところで、最初に戻って一作目。順番に読めなかったのはもどかしいけど、ここまできたら全部コンプリートしておきたい。倉敷「廣文館」で購入。舞台は同じ神戸でも二作目、三作目が一応連作というカタチで、これ一冊は単独でも読めた。パンとホルモンとおでん。食べものを題材にした短篇集。目の前の出来事、全体を俯瞰、一人の男の頭の中。読んでいて気付いたのは三つの視点。三編それぞれで書き方が違っていて、とてもユニークだと思った。これを読むと明らかにその後の作品は文章がさらにブラッシュアップされているのがよくわかる。関西特有のノリ、抜群の笑いのセンスは著者の生まれ持ってのものなんだろう。松宮さんの作品、今後も追いかけていきます。

 

 

『本の街あるき 2016年12月 ⑤』