『ぼくはオンライン古本屋のおやじさん』

北尾トロ 

風塵社 

2000年10月発売


堀部篤史さんの「街を変える小さな店」の感想を書きながら、同時にこの本の感想も書こうという想いがふつふつと沸いてきていた。それは、便利だけど味気ないオンラインの世界に反発する堀部さんの考えに共感しつつも、共感できない自分がいたから。ネットでも楽しい、素晴らしい本との出会いもあると思う。その面白さを紹介したのがこちらの一冊。オンライン古書店「杉並北尾堂」を立ち上げた北尾トロさんのお店開業記です。 

 

アマゾンなどを誰もが利用する直前。この時期は何冊もオンライン古書店を始める本が出版されていて、自分もよく読んでいたんだけど、その中でも特に印象に残った一冊だった。儲ける儲けないさえ無視すれば今でも、今すぐにでもオンライン古書店を始められるノウハウがてんこ盛り。そこに古本の仕入れや、日々の悪戦苦闘を綴った北尾さんの毎日の日記が添えられているのも、今読み返してもわくわくした気分になってくる。「ぼくの目標は月商50万円」と書かれているのを見た時は他人事ながら夢を見ました。