『古書収集十番勝負』

紀田順一郎 

東京創元社 

2000年12月発売


岡山、大元にある本屋「MILBOOKS」で購入。別の本を買うのが目的でお店に行ったんだけど、その時に見かけたこの本がどうにも気になってきてしまって、次の休日にもう一度お店へ行って購入させてもらいました。今年買った本の中では一番印象に残ってる表紙。91年に発表されたミステリー小説。「魔術的な急斜面」からの改題。これは大正解だと思う! 

 

東京、神保町「村雲書店」の主、村雲源三郎。余命一年と宣告された源三郎は娘婿で村雲書店の店員、倉島実と蜷川保夫の二人に跡継ぎと称して、古書十冊を半年で集めてくるように命じます。「相場の倍までは許すが、それ以上は折角仕入れても失格とする。いいか!」、源三郎はそう念を押すんだけど、跡継ぎ問題に遺産相続、そして何よりも古本屋としてのプライドが二人にそんなルールを守らせるはずもなく…挙げ句の果てには他の古書マニアも乱入しての大乱闘、事態は泥沼の様相を呈していく。一冊の本をめぐって、肩書きも立派な大人達が本気で喧嘩をする様子を読むのは楽しくて仕方ない。ビブリオミステリとはこういうモノだったのか!