『夢の猫本屋ができるまで』

井上理津子、安村正也

白水社

2018年7月発売


旅先では文庫が身軽に持ち帰るには最適なんだけど。悩みに悩んだ…やっぱりこの新刊気になる!姫路の「浅野書店」で購入。手に取ったらハッとなったけど、こういうお店を作る本にめっぽう弱い。本屋が軌道に乗るまでの紆余曲折、試行錯誤の日々を書かれた日なんかにゃもう…おまけに本を読み始めてみれば、店主の方はなんと岡山育ち。しかも去年行ったばかりの津山と知ったからには、もう他の本は目に入らない。終始ワクワクしたまま一気にやっつけました。

 

本屋だけではもう食べていけない。ブックコーディネーターの内沼晋太郎さんが常々提唱していたビジネスモデルを早くもカタチにしてしまったお店が東京の西太子堂に誕生。本と猫とビール。これらがどうやって有機的に結びついているのかを、猫好きではなく犬好きだという著者が取材しているのも視点がドライで盲目的ではなく客観的で、却ってポジティブで真摯に映った。売上も損益も包み隠さず公開。ひとまず、ここ数年に出た本屋開業のまとめの一冊になると思う。とりあえず「キャッツミャウブックス」にはいつか必ず行くつもりだし、この本を参考にした本屋が日本中のいたるところにできてくれるのも望みます!

 

 

『本の街あるき NO. 107』